河内長野市にある「木根館」(きんこんかん)は、地域と自然との共生をテーマにした交流拠点です。
今回の取材では、自然環境豊かな河内長野市にある木根館がどのように地域と自然のつながりを深め、どのような魅力を持つ場所なのかを探ることを目的に、南海電鉄地域発見クリエイターズ課の取材チームが、木根館を訪れ、館長の田中慎さんにお話をお伺いしました!
今回は木根館についてのご紹介と取材内容をレポートしたいと思います。
木根館のある河内長野市は面積の約70%が森林であるほど自然に恵まれ、スギ・ヒノキの植林地が多く、古くから「河内林業地」として木材が生産されてきました。
その木材は「おおさか河内材」という名前でブランド化されています。
木根館は、その河内長野市の豊かな自然資源を活用し、
・地域の森林資源の保護・育成
・林業再生を基本に林業者の組織化と技術向上を目指した指導
・木工クラフト体験や森林自然をテーマにしたイベントなど、環境保全と憩いの場を提供し、学習・交流のできる拠点施設として誕生しました。
木根館は、木のある暮らしの快適さや癒しを体感できる施設で、イベントやワークショップが開催されており、木を使ったものづくりを楽しめます。
そして、次の3つの観点で森林を身近に感じることができます。
館内では、暮らしを彩る商品が販売されていたり、木工作品のディスプレイを見たりすることができ、木のある暮らしをイメージできます。
まったく初めての方や子どもでも簡単に体験できるキットが用意されています。
少し慣れている方は、ワークショップや自由制作でDIYが楽しめます。
月一開催のワークショップイベントに参加することで、木に触れたり自然を感じたりしながら、木や森林への知識を深めることができます。
今回のテーマは、「地域と自然の交流拠点としての木根館の重要性と魅力」を探ることです。
木根館は、単なる観光スポットではなく、自然環境と共に生きるための重要な役割を果たす施設として、多くの利用者が訪れています。
今回は、館長への取材を通じてその真相に迫っていきます。
木根館館長の田中慎さんに、木根館の魅力について伺いました。
河内長野市、及び隣接する千早赤阪村、河南町といった周辺地域は、江戸時代から「河内林業地」として木材生産で知られており、そこで育ったスギ・ヒノキの木材が「おおさか河内材」としてブランド化されるようになりました。
それらの木材を使った体験活動を提供することで「おおさか河内材」に興味を持つきっかけにしてもらうための施設として木根館は設立されました。
ワークショップなどで木工の楽しさを伝える活動のほかにも、「スターバックス コーヒー 河内長野高向店」との共同で「地域資源循環プロジェクト」として、
コーヒーを抽出した後のコーヒー豆かすと、木材の端材をチップ状にしたものを混ぜて堆肥を作り、地域の中で活用する資源循環に向けて活動しています。健全な森づくりや地域資源の大切さを地域の方にお伝えする活動をしています。
月一回のワークショップイベントを開催しており、お子さんはもちろん、親子で楽しんでいただいています。
人気のイベントは事前の予約で満員御礼になることもあり、大変ご好評をいただいております。
木工体験を通じて、お子さんの好奇心やワクワク感が生まれ、自然と触れ合う楽しさを味わっていただけます。
木根館の館内には、木工体験を行うスペース、おおさか河内材で作った木製品販売をしているエントランスホール、会議やダンスの練習などに使えるレンタル会議室があり、さまざまな用途で利用されています。
木根館で提供される木工体験やワークショップでは、「おおさか河内材」の木材を通じ自然と触れ合いながら創造力を育むことができます。
自然の大切さやものづくりの楽しさを伝えるために企画されており、親子で楽しんでいただける内容となっています。
[木工体験]
木根館の木工体験は、体験キットを使った木工体験と、木材を使ってオリジナル作品を作る「自由木工」の2種類の木工体験が用意されています。
体験キットを使った木工では、例えば、ペン立てや貯金箱、本立てなど、25種類以上のキットが用意されており、作りたいものを選択して作品を作ることができます。組み立て方や、道具の使い方、コツや気をつけることなど、我々木根館のスタッフが丁寧にご説明させていただきますので初めてのお子さんでも楽しんで木工体験ができるようになっています。
自由木工では、木根館にあるおおさか河内材(スギ・ヒノキ)を使って自由な加工をしながらオリジナル作品を制作することができます。
例えばDIYが好きだけど自宅ではやる場所がない、専門工具がないという方などにぜひご利用いただきたいです。
[ワークショップ]
たとえば、スギ・ヒノキ(針葉樹)とドングリ等(広葉樹)の薪を使って、焼き芋をしながら、木の種類による燃え方の違いを見比べてみよう!・・・など、様々な体験型のワークショップも人気です。
アンケートで感想をお聞きしていますが、「楽しかった」「勉強になった」というお声を多くいただき、親子でお楽しみいただいております。
「森林ESD」
木根館の指定管理者である大阪府森林組合は、森林や林業に関わりを持ち持続的な森林整備の必要性を学んでもらうため、河内長野市・河南町の小学5年生を対象に、森林を題材とした出前授業や、森林で伐採体験などの現地研修を通じて、それがどのように加工され私たちの手に届くのかなど、子供たちに自然環境の大切さを教える活動をし、「森林ESD」に取り組んでいます。
(森林ESD・・・持続可能な社会づくりに向け問題解決に必要な能力・態度を身につけさせるため、森林・里山を活用した人材育成システム)
河内長野市は、都心から30分のロケーションでありながら、豊かな自然環境に恵まれたまちです。ホタルが見られたり、カブトムシが取れたりと、そんな豊かな自然がある貴重な地域です。
実は、私自身も堺市の市街地から移住してきました。河内長野はとても空気が良く、安らぎを感じ、ほっとする環境であると思っています。
そしてなんといっても水が美味しいことも大きな魅力です。水道から出る水の味が全然違うことに驚きました。
また、河内長野市は大阪府下で犯罪が少ないところです。地域の方も子供を見守ってくれる優しい方が多く、安心して子育てができる環境だと思います。
より多くの方に、この木根館を利用して欲しいと思っています。
若い方にも興味を持ってもらうために、製品づくりには デザインをよく考え、形にすることを心がけています。
生活の中にインテリアとして置いた時に「かわいいな」「綺麗だな」と思ってもらうものづくりを大切にしています。
それで気に入ってもらえる事で「おおさか河内材」に興味を持っていただくきっかけになりますし、それをSNSなどでシェアしていただく事で、より多くの方が木に興味を持つチャンスにつながると考えています。
日本では、木材利用の半分以上が海外輸入の製品や丸太が使われている中、日本には本来であれば利用するはずだった人工林がたくさんあります。
人工林は、手を入れなかったことで林地は荒れ、土も流れてしまうことが多く、土砂崩れの原因になっています。ここに適正な間伐など手をかけていくことで、木の幹は太くなり、根をしっかり張り、森林保全や木材の適切な循環利用に繋がっていきます。
それを実現していくため、多くの人に興味を持ってもらう必要があります。そのきっかけを持ってもらいたい。「木根館」は、そのための場所なんです。
今回の取材を通じて、木根館は単なる体験施設ではなく、未来を見据えた地域と自然との共生を促進する重要な拠点であることがわかりました。
木工体験やワークショップを通じて、自然の豊かさとその大切さを学ぶことができることは貴重な体験で、このような体験ができる場所はそうそうありません。
お子さんが初めての木工を楽しめて親子で自然を感じられる場所、また、DIY好きの方が新たなチャレンジができる場所、それを通じて木に触れ、私たちは自然とともに共生していることに気づく事ができる、これが木根館ならではの魅力ではないでしょうか。
また、館長ご自身が河内長野へ移住され、空気や水のおいしさ、ほっとする環境である事を実体験されており、名実ともに河内長野市は自然環境豊かで住みやすく、子育て世帯にとってもとても環境の良いまちです。
都心部まで電車で約30分のロケーションにありながら、山々の自然を肌で感じられる河内長野市は、まさにちょうどいい「トカイナカ」。
その森林の実態について触れてみる事ができる、学ぶ事ができる、そんなきっかけの場所、
そして何より楽しくワクワク、子供たちのキラキラする好奇心を受け止めてくれる、
そんな体験をできる場所、それが木根館です。
河内長野市は大変自然豊かな地域です。木根館での体験を通じて、ぜひ自然環境の魅力を感じていただけることを願っています。
今後とも、木工体験や月一のワークショップイベントなどを通じて、
より多くの方に河内長野の自然の素晴らしさを伝えていきたいと思っています。
木根館へ、ぜひ一度足を運んでみてください。
インタビュアー・執筆者:東根 誠 カメラマン:shino_boo
kinkonkan-木根館-
河内長野市立林業総合センター
開館時間: 9:00~17:00(受付16:00まで)
*ご注意* 1月・2月は下記の通り開館時間が変更となります。
開館時間:9:00 ~ 16:00 (受付15:00まで)
(木工体験:おはし・カトラリーは14:00まで)
休館日:月曜日・月曜日が祝日の場合は翌日休み・年末年始)
〒586-0036
大阪府河内長野市高向1818-1
電話:0721-64-8151
入場料無料
駐車場(無料)
隣接駐車場6台、または、奥河内くろまろの郷駐車場にとめて徒歩5分
公共交通機関でお越しの場合
南海高野線「河内長野駅」下車
バス「奥河内くろまろの郷」停留所下車 徒歩5分
またはバス「上髙向」停留所下車 徒歩15分
Webデザイナー&カメラマンです。ドライブで色んな場所に出かける事が大好き。琴線に触れたモノや景観を皆さんにシェアしていければと思います。どうぞ宜しくお願いします!
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