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海を見渡せる美しい自然や子どもの異年齢交流が魅力!がんばらない暮らしができる加太

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海を見渡せる美しい自然や子どもの異年齢交流が魅力!がんばらない暮らしができる加太
まなちゃん
まなちゃん
watch 2025.1.29

和歌山市の北西にある加太は、大阪府との県境に位置し、紀淡海峡に面した美しい海岸線が人々を魅了します。現在は漁港と観光のまちであり、関西でも魚釣りのスポットとして有名です。観光地としての加太の情報はよく発信されていますが、今回はあまり知ることのできない加太に暮らす人々がどんな日常を過ごしているのかについてご紹介します。

加太ってどんなところ?

関西空港から車で50分。電車で90分。最寄りの駅は、南海電鉄加太線加太駅。山と海に囲まれた自然豊かな場所です。人口は2,383人(2025年1月現在)。日本最古級の修行の道である「葛城修験」のはじまりの地でもあり、歴史的なまちでもあります。

加太のまちには、初めて訪れたのになぜか懐かしいと感じてしまう昭和の古き良き風景がそのまま残っています。そんなノスタルジックなまち並みも、加太が観光スポットとして人気な理由の一つだと思います。

さて、まるでタイムスリップしたかのようなまちで暮らす子育て世帯はどんな暮らしをしていて、日常にどんな幸せを感じているのか。漁師町で有名ですが、まだ知られていない加太の魅力とは。小学校の校長先生や移住者へのインタビューから、加太の暮らしの魅力について紐解いていきます。

南海電鉄「加太さかな線」にのって加太駅へ!

加太駅へは南海電鉄和歌山市駅から加太さかな線(加太線)に乗り換えて、電車に揺られること約24分の旅。海が見えてきたら、もうすぐ到着です。

観光列車の「めでたいでんしゃ」は全部で5種類。こちらは「なな」の車内。こだわり抜かれた車内はどれも乗った瞬間ワクワクが止まりません。何度乗っても楽しくなってしまいます。詳しい「めでたいでんしゃ」の説明は南海電鉄のHPをご覧ください。

和歌山市の中心街から山や海の車窓を楽しんでいると、ついに加太駅に到着です。

めでたいでんしゃは、加太の人からは「たい電車」と親しまれています。幼稚園や小学校の課外授業では、たい電車に乗車するのが定番。加太の子どもたちにとっては小さい頃からいつもそばに「たい電車」が走っています。毎年南海電鉄さんのご厚意で、安全教室を小学校で開催してくれるなど、地域に密着した電車です。

加太の教育環境は?校長先生にインタビュー!

子育て世帯にとって気になる教育環境について知るため、加太で唯一の小学校であり、和歌山市で小規模特認校として指定されている加太小学校の校長先生にインタビューしました。

今回インタビューにご協力いただいたのは、加太小学校の寺尾憲和校長先生。加太小学校は加太幼稚園と隣接していて、幼稚園の園長も兼任されています。加太小学校の令和6年度の全校生徒数は51人。小規模特認校になって3年目を迎えます。5.6年生と2.3年生は2学年が1学級となった複式学級です。少人数で自然豊かな環境を活かした教育を行っているという加太小学校、加太幼稚園の子どもたちについてお話を伺いました。

異年齢交流が特徴

敷地内に幼稚園と小学校が隣接しているということもあり、幼小連携が自然と行われています。

日常的に幼稚園の園児たちは小学校を身近に感じられているので、年長さんが小学生になることへの不安や心配は少ないと聞きます。入学初日からスムーズに小学校の生活がスタートできるのは良いことだと思います。

小学校は生徒数が少ないので、学年関係なくコミュニケーションが取れるように「縦割り活動」という取り組みを積極的に行っています。1年生から6年生までの全校生徒を3つのグループに分けて、掃除当番や行事など異年齢交流が盛んに行われています。5年の差がある生徒たちが関わるので、自分たちの立ち振る舞いなどを学ぶ機会にもなっているのかなと思います。先生方が指示するのではなく、縦割りグループで自分たちでどうしたいかを決めていくようになっており、生徒自身が自らやろうと決めていることなので意欲的に物事に取り組んでいる姿が見られます。

現在は奈良県川上村の小学校と交流したり、幼稚園では近隣の幼稚園に遊びに行ったりと、人数は少ないですが同年代とのコミュニケーションの機会もできるだけ作れるように工夫しています。

子どもたちと地域の関わりについて

「加太は人を受け入れてくれるまち」だと感じている寺尾校長。こちらから挨拶したら挨拶を返してくれるし、気さくに関わってくれる人が多い。高齢者が増えてきていますが、地域の方にとって小学校の子どもたちは孫のような存在で、地域のボランティアさんが行事ごとや日々の生活のサポートをしてくれています。地域の方がいつも子どもたちのことを気にかけてくれていると感じることが多いです。

また、先生方がいつも子どもたちのことを熱心に考えてくれている点も加太小学校の魅力。少人数の学校だからこそ叶う、加太のまちでの課外授業は先生と地域の方の連携のおかげです。子どもたちの学習に応じてすぐに地域の方に声をかけたり、加太のカフェや神社の宮司さん、加太の魅力や情報を発信する加太観光協会の方へ直接お話を聞きに行ったりと、子どもたちが地域の皆さんから見守られて育っていると実感します。

加太の豊かな自然を活かした教育

漁師町ということもあり、漁協組合のご厚意で「魚のつかみどり」や「稚魚放流」など、子どもたちが生きた魚と触れ合える機会を作ってくれています。毎年春の遠足で行く加太の海水浴場は、自然の砂浜として有名。秋の遠足では無人島の友ヶ島に行き、歴史を学べます。

「加太の子どもたちが20歳になった時に、何かしら活躍のできる大人になっていたら良いなと思い教育を行っています。といっても、担任の先生方の日々の頑張りにより校長として何か言わなくてはいけないことって本当になくて。礼儀や立ち振る舞い、主体性については、縦割りの取り組みの中で自然と身についています。低学年の時に、高学年のお兄さんやお姉さんからこういう時はこうするんだなと学び、それを代々受け継いでいく。先生や地域の方からのサポートのおかげで、子ども達はのびのびと自由に互いの意見を尊重しあいながら、加太っ子として育っています。」と寺尾校長先生が語って下さいました。

校長先生のインタビューから、加太小学校に通う子どもたちは、自然豊かな環境で少人数だからこその教育を通じて、地域に見守られながら真っ直ぐと健やかに育っているのだと感じました。自分の意見を言える、互いを尊重し合える姿は大人も見習いたい部分でもあるなと思いました。

実際に移住されたブラウンさんに加太の魅力をインタビュー!

加太駅から車を南へ走らせること約5分。高台から海を見下ろす景色が素晴らしい住宅街「サニータウン」は、新興住宅地として新しく開発された場所です。磯ノ浦の海から先に和歌山市の中心街のまち並みが一望でき、マリーナシティで打ち上げられる花火も見えるそうです。息を吞むほどに美しい景色を楽しめるサニータウンは移住先としても人気で、加太の漁師町というイメージとはまるで別世界。今回はサニータウンでカフェを営むブラウンさんに、お話を聞いてきました。

加太での生活について

移住のきっかけは、両親と「将来は海の見える場所に住みたいね」と話をしていた時に、ここを見つけたことです。ここなら両親の願いが叶うし、自分もこんな素敵な景色を見ながら過ごせるなんて最高と思って移住しました。移住当時はカフェをやるなんて考えていなくて、ただせっかくのロケーションなので何かやりたいと思い、始めたのがカフェです。当初は土日だけの営業でしたが、ありがたいことにお客様が増えてきて平日も営業することになりました。来てくださるお客様が、ここからの景色を気に入ってくれることが嬉しいです。

加太小学校と加太中学校に通う2人のお子さんがいるブラウンさん。娘さんは加太小学校で良かったと思うことが多いと教えてくれました。「いい意味で人数が少なくて、みんなの意見を聞ける環境なのが良いなと思います。まずは意見を聞く、そしてそこから否定するのではなく打開策を考える。小学生ながらに、そこまでできるのは加太ならではなのかなと思います。」と語るブラウンさん。

「車がないと不便ですが、スーパーが近くにないことに不便さを感じたことはありません。それって加太が好きだから。どこに住んでいたとしても良いこと、悪いことってあると思います。ただここに住んでる人って、この景色が好き、この空気が好きって思って住んでる人が多いので、自分と感覚が似ているなって感じる人もいて。面白い人が周りにいると生活が楽しくなりますよね。」と加太に住むことへの思いも話してくださいました。

加太に移住を検討している方へ

「加太での子育ての魅力といえば、やはり自然豊かな環境だと思います。先日夜に家の前をイノシシがウロウロしていて、子どもはそれを楽しそうに窓から見ていました。こんな光景を子どものうちに見られるのって良いなと思います。夏には海に行って泳いだり、それも家から水着で浮き輪をもって歩いて行けるって子どもには良い環境ですよね。山もあるので、虫を捕まえたりして。子どもが小さいうちは、とにかく近くの自然と遊んでいましたね。大人には、この癒しの景色。子育てしていて思うのは、親が人生を楽しんでいないと子育てって楽しめないということです。親ではありますが、一人の人間。余裕がないと何事も楽しめない。この景色にはたくさん救われてきました。」

ブラウンさんのインタビューを通じて、凛としてカッコよい姿に一目惚れ。どんな人でも、ふと疲れて一息つきたくなる時ってあると思います。そんな時に自然がそばにあるだけで、癒され効果は倍増。明日からまた頑張ろうと思える環境が、すぐ目の前にあるって最高だなと思いました。海を高台からいつでも見渡せるというのは、ここに住んでいるからの特権ですね。

加太の美しい自然をご紹介

加太に移住してきて一番感動した景色は、海の彼方へ夕日が沈んでいくこのシーン。何度見てもジーンとします。

この写真から、加太は美しい海と山に囲まれた自然豊かな環境というのが一目でわかります。

おわりに

加太で暮らす子育て世帯は、地域の方に見守られながら、個を大切に日々を過ごすことができると今回の取材で感じました。朝日や夕日などの、陽の光にささやかな幸せを感じ、肩肘張らずに過ごせることが「がんばらない暮らしができるまち、加太」の魅力ではないでしょうか。和歌山市内でありながら、タイムスリップしたかのようなまち並みが残る加太。あなたもぜひ訪れて深呼吸してみてください。

インタビュアー・執筆者:まなちゃん 撮影者:SUBAL

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    まなちゃん
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    子どもが鉄道が大好きなので
    鉄道旅をメインに発信しています!
    和歌山市に今年移住し、山と海に囲まれた
    自然豊かな環境で過ごしています
    南海沿線での子育ての魅力も発信中

    子どもが鉄道が大好きなので
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